同じ膝の痛みでも、変形性膝関節症とリウマチは全く違う病気です。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症とは、加齢などによって膝の関節の軟骨がすれ減ってしまい、骨と骨の間のクッション効果が失されることによって痛みを感じる疾患です。症状が進むと骨の変形なども起こるため、変形性膝関節症と呼ばれます。50代を超えてから発症することが多く、65歳を過ぎると特に多くの人が変形性膝関節症に悩まされます。歩き始めに痛みを感じることが多く、悪化すると歩いているときに常に痛みを感じるようにもなります。階段を降りるときに特に痛みを感じやすいので注意しましょう。
リウマチとは
リウマチも関節に痛みを感じる疾患ですが、その原因は関節を包む滑膜という組織を、自分の免疫が敵だとみなしてしまうことです。その結果、免疫による攻撃で滑膜が炎症を起こし、痛みを感じるようになります。特定の関節に負担がかかって痛みを生じるわけではなく、滑膜を敵と誤認する自己免疫疾患ですから、体中の関節に痛みを感じることも多く、適切な治療を行わないと症状の改善は難しいといえます。関節に腫れを生じ、触るとプニプニと柔らかい感触があります。男性よりも女性に多いのは変形性膝関節症と同じですが、リウマチの場合は20~30代での発症も珍しくありません。
違いを把握して治療を
変形性膝関節症とリウマチは、どちらも関節に痛みを感じる疾患ですが、その原因は全く違うものです。どちらもきちんと専門医での治療を行うべきですが、リウマチは特に全身の関節に炎症を起こす可能性があることや、悪化すると関節の組織や骨まで損傷が進んでしまうこともあるので、すぐに治療を行うようにしましょう。痛みの箇所が膝だけの場合は変形性膝関節症の可能性もかなりありますが、手の指などにも痛みを感じるようになったり、朝起きたときに関節が動かしにくい、という場合や、関節に腫れがみられるときなどは、リウマチの可能性があります。
まとめ
変形性膝関節症とリウマチは、同じ関節の痛みを伴う疾患でも、その原因は全く違うものです。膝が痛むときは、変形性膝関節症なのかリウマチなのか、それとも違う病気なのかを確認するためにも、きちんと診察を受けたほうがよいでしょう。特にリウマチは自己免疫疾患による炎症なので、ほおっておいても治るものではありません。