粘膜免疫を鍛えることが、感染症から体を守ることにつながります。
粘膜免疫とは
免疫とは、体が外敵から身を守るためのシステムです。入ってきたウイルスなどの異物と戦う全身免疫と別に、目や鼻、口、腸などにおいて、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐのが、粘膜免疫です。感染症は、こうしたウイルスの侵入によって感染するため、予防のためにはまず粘膜免疫を鍛えて、ウイルスが入ってこないような環境を作ることが大切なのです。
粘膜免疫を鍛えるためには
粘膜粘液は、生活習慣などに気をつけることで、鍛えることができます。もちろんすべてのウイルスの侵入を防ぐことはできませんので、体内に入ってからウイルスなどと戦う全身免疫も大切です。しかし、まずは粘膜免疫を鍛えて、体内に入るウイルスの数を、できる限り少なくすることが大切です。
食生活の改善
粘膜免疫を鍛えるには、ある種の乳酸菌が効果的だといわれます。そのため、乳酸菌を増やす効果のある発酵食品などを食べるのが良いとされていますが、もちろんそれだけを食べればよいわけではありません。規則正しい食事で、栄養のバランスを取らないと、必要な成分も十分に摂取できなくなってしまいます。普段から、肉や野菜、果物などをバランスよく食べるように心がけましょう。
お口を清潔に
口の中は外からのウイルスが侵入しやすいところです。特に、食後の歯磨きなどを怠っていると、口の中に雑菌が繁殖しやすくなり、粘膜免疫の低下にもつながります。食後はきちんと歯磨きをして、定期的にお茶や水などで口内を潤すようにしましょう。
鼻呼吸の習慣
鼻が詰まりやすかったり、長年の習慣などで、口呼吸になってしまっている人は意外と多いです。口呼吸をしていると、口が乾きやすくなってウイルスの繁殖を促しますし、常に口が開いている状態になるため、外からウイルスが侵入しやすくなってしまいますし、前歯が前に突出しやすいなど、歯並びも悪くなります。口の中の乾燥で歯石もこびりつきやすく、虫歯などの原因にもなりますので、ぜひ鼻呼吸を意識しましょう。
しっかりした睡眠とストレス減
睡眠不足やストレスは唾液の分泌を減らしてしまうというデータがあります。唾液の分泌が減ると、口内が乾きやすくなるほか、粘膜免疫が下がってしまうため、感染症のリスクが高くなります。十分な睡眠をとり、リフレッシュする時間をしっかり確保するなどして、積極的にストレスの軽減を図りましょう。
適度な運動
適度な運動は全身免疫を高めますが、ハードすぎる運動は体に過度な負担となるため、免疫を下げるとされています。特に体調が万全でないときには、免疫力をさらに下げることで感染症にかかりやすくなるので、適度な運動にとどめるようにしましょう。
まとめ
粘膜免疫を高めることは、感染症対策としてとても大切です。日頃のちょっとした注意で粘膜免疫の働きは変わってきますので、感染症の多い冬の季節は特に意識するようにしましょう。